近年、ランドセルを造るための機械(コンピューターミシンなど)は進歩を遂げ、ある程度の大量生産も可能になりました。とはいえ、ひとつひとつの工程は、まだまだ職人の手によるところが多く、最新の機械を駆使しても完全オートメーションというわけにはいきません。
と、ここまではおもに人工皮革(クラリーノなど)の話で、天然皮革(コードバン・牛革)のランドセルは、さらに職人が一枚一枚革の表情(状態)を確認しながら、機械に頼ることなく、長年培った感による手作業で仕上げていくので、とても時間がかかるとともに技が必要になります。
そして、職人の誰もがすべての工程をできるわけではなく、熟練度によって受け持つ作業は異なります。
また、同じ仕様で作られていても、その職人によって出来栄えがどことなく違ってくるのです。
手間を惜しまずに、一点一点丁寧に仕立てる。生産数は限られますが、納得の行く仕立てを優先する。
そこにはモギのこだわり、クラフツマンシップが生きています。
1本のランドセルに使うアメ豚は、実にまるまる豚1頭分。
しかもアメ豚は、他社ではあまり使われることがなく需要が少ないため、とても入手困難で高価な革です。
「一枚通し」とは、かぶせ部分と本体の間に継ぎ目がなく、一枚の革を通して張ってあることを言います。
熟練の職人が一枚一枚丁寧に張りこむため、一時間に2~3本しかできません。
そうして仕上がった内張りは、なによりも見た目に美しく、徹底的にこだわった技の粋と言えます。
製造数に限りがございますので、毎年早い時期に売り切れてしまいます。
ご検討の方には、お早め(2月〜4月頃)のご注文をおすすめいたします。
大きくて、丈夫な造り、なおかつ軽い、理想のランドセルができあがりました。
昨年度、発表するやいなや大反響で、おかげさまで追加生産をしたほどでした。改めて、その人気の理由は…。
近頃、「ランドセルが重たい」というニュースや記事を目にすることがあります。「重くて腰痛に悩まされている子供たちがいる」挙句の果てには、「ランドセルが悪い、もっと軽いバックパックのようなものが良い」という論調です。
ちょっと待ってください。本当にそうでしょうか?重たい理由は、ランドセルそのものではなくて、教科書や体育着、水筒など中身なのです。タブレットも大きな要因といえるでしょう。
ランドセル自体は1㎏ちょっとで、とても軽くできています。バックパック型が軽いと言ってもせいぜい800gから900g、教科書にして1冊か2冊の違いです。けっしてランドセルが重いのではありません。
とはいえ、この問題は各教育委員会も注視していて、家庭で自習しない教科書は学校に置いて帰って良い地域など、対応をとっているところもあるようです。いずれにせよ、現在は、教科書がタブレットに置き換わる移行期間のようなので、早く移行することを期待したいと思います。
ランドセルは、少しでもお子様の負担を軽減するため、何年、いや何十年もの間、ランドセルメーカー各社が競って研究を重ねてきた優れものです。その結果、肩や背中にピタッと接するように設計されていて、身体全体に負荷を逃がす工夫がなされています。
また、ランドセルは箱型で、教科書を入れるには最適な形をしています。本体には芯材が入っているので、教科書や教材がぴったりと収まります。
ランドセルは箱型で、とても丈夫に造られているので、そう簡単には潰れません。従って、通学中に転倒したり、何かにぶつかった際に、お子様の身体を守ってくれる役割も果たします。
実際に、モギのお客様で交通事故に遭われたお子様が、ランドセルが身代わりになって命拾いをしたというエピソードがございます。車に挟まれても、ランドセルが潰れないでクッション材になったと聞き及びます。
ただ軽ければ良いわけではありません。まず、6年間の使用に耐えられる丈夫さは絶対条件です。そして、使い勝手を考えたときに、機能を省くわけにはいきません。つまり、丈夫で機能的で軽いと、3拍子揃ったものでなくてはならないのです。
昨年、どれくらいの重さならば許容できるのか、お客様アンケートを実施いたしました。その結果、約1200gがお客様の求めている重さであると判りました。これはただ軽ければ良いというわけではなく、丈夫さも兼ね備えるとこれくらいは仕方ないという結果だと思われます。
近年、増えているキューブ型ですが、MOGIでは10年以上前からその利点に着目し製造を始めました。そもそも従来の学習院型からなぜキューブ型が考案されたのでしょうか?それは教科書・教材の大きさに関係していたのです。
昔の教科書はB5サイズがほとんどでしたが、いつのころかA4サイズになり、それに加えてA4クリアファイルサイズも使われるようになり、さらに現在はA4フラットファイルまでも使われています。その過程でランドセルも次第に大型化していきました。
とはいえ、お子様の体形は変わりません。特に低学年のお子様にとってはランドセルがとても大きく見えてしまいます。そこで、学習院型にある〝へり〟を無くせば、その分2㎝ほど幅が狭くなる。とういわけで、キューブ型は生まれたのでした。
近頃、「ランドセルが重たい」というニュースや記事を目にすることがあります。「重くて腰痛に悩まされている子供たちがいる」挙句の果てには、「ランドセルが悪い、もっと軽いバックパックのようなものが良い」という論調です。
ちょっと待ってください。本当にそうでしょうか?重たい理由は、ランドセルそのものではなくて、教科書や体育着、水筒など中身なのです。タブレットも大きな要因といえるでしょう。
ランドセル自体は1㎏ちょっとで、とても軽くできています。バックパック型が軽いと言ってもせいぜい800gから900g、教科書にして1冊か2冊の違いです。けっしてランドセルが重いのではありません。
とはいえ、この問題は各教育委員会も注視していて、家庭で自習しない教科書は学校に置いて帰って良い地域など、対応をとっているところもあるようです。いずれにせよ、現在は、教科書がタブレットに置き換わる移行期間のようなので、早く移行することを期待したいと思います。
次第に普及してきて、現在ではキューブ型の方が多いのではないかと思われます。ちなみにMOGIではおよそ学習院型半分、キューブ型半分の割合です。年々増えているということは、その実績から支持されてきているのだと思います。がしかし、キューブ型の弱点に気が付いている方も多いのではないでしょうか。それは、ランドセルを使用していると、数年後にはどうしても多少の歪みが生じます。するとかぶせ(ふた)と本体の間に隙間ができてしまうのです。下校途中に急な雨に降られて、隙間から雨水が入って教科書が濡れてしまった。中身が覗かれてしまうのは好ましくない、というご意見も…。
宮内産業(長野県飯田市)外観
近年、コードバンのランドセルを造るメーカー・工房が減少しているようです。
その理由は、コードバン(革)の価格上昇と、入手が困難になっていること。また、大きさが以前よりもだいぶ小さくなっていることが主な要因と考えられます。
コードバンは、業界用語で「メガネ」と呼ばれています。メガネの形をしていることから、いつの間にかそう呼ばれるようになりました。従来は、メガネ一枚からランドセルのかぶせ(ふた)2枚分がとれた(裁断できた)のですが、最近は1枚とれればよい方で、まったく使い物にならないものも多いのです。
弊社が信頼を寄せる日本有数のタンナー、長野県飯田市にある宮内産業さんによると、ヨーロッパから入荷した時点で、すでにランドセルに使える大きさのものは半分くらいしかないそうで、その中でも傷のない綺麗な革となると、さらに半分になってしまうと言います。輸入先には、できるだけ大きいものをリクエストしているものの、年々小さくなっていると頭を悩ませていました。
それでも、モギはあえてコードバンにこだわります。弊社は、一昨年90周年を迎えました。それを機に、史上最高の、他の追随を許さないランドセルを造りたい。そのためには、良質のコードバンが、しかも安定供給が大前提でした。
コードバンのランドセルを絶やしてはならない。たとえ生産数は少なくとも、後世に残していきたい。宮内産業さんに弊社のそんな熱い思いを伝え、そして、全面的な協力体制を整えていただきました。
深みのある色、光沢は何とも言えない美しさです。何か月もの時間を要して、熟練の職人によって、一枚一枚丹念に作りあげられた最高傑作の革がここにあります。
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