左:モギカバン社長 右:荒川 眞一郎 氏
このコラボプロジェクトは遡ること4年前(2021年)に始まりました。
荒川眞一郎氏は、帰桐する折に、夫人からこう切り出されたと言います。
「モギカバンって知ってる?」
「もちろん良く知っているよ。桐生では知らない人はいないよ。」
「今では全国的に有名な会社なのよ。あなたの地元だし、ランドセルのデザインをさせてもらったら面白いんじゃない?」
氏はそのとき、ランドセルは日本を代表するカルチャーで、後世に残していくべきだ。それに未来を担う子供たちへ向けてデザインするのは魅力的な仕事だと感じたそうです。
そして、モギカバンとコラボすれば、少しは地元に貢献できるかもしれないとも。
桐生市は古くから、「西の西陣、東の桐生」と謳われた織物の街です。
高校を卒業するまでその街で過ごした、氏のデザイナーとしての感性は、桐生で育まれたと言っても過言ではないのだとか。
また氏は、パリ、東京と活動の拠点を移してきて感じたのは、桐生は独特の雰囲気を持つ街で、デザイナーや芸術家、起業家などが生まれる土壌があるのでないかと分析しています。
夫人に言われるまで、不覚にもモギカバンが全国的に人気だとは知らなかったとはいえ、氏は、「それはまったく不思議ではありません。その理由は、桐生で長年やってきて、感性の鋭いお客様に磨かれてきたのだから」と。
発表以来、人気が衰えるどころか年々増しているこのコラボモデルですが、実は昨年くらいから、他社製で明らかにこのデザインを意識したランドセルが散見されるようになりました。
つまりそれは、これこそが”本物”であると物語っているのだと思われます・・・。
荒川 眞一郎(あらかわ しんいちろう、1966年10月6日)は、日本のファッションデザイナーで、ファッションブランド「SHINICHIRO ARAKAWA」(シンイチロウアラカワ)の創立者。
群馬県桐生市出身、東海大学卒業後、1989年から1992年までフランスとイギリスでファッションデザインを学び、1993年にパリコレクションのプレタポルテでデビュー。
自身のブランドと異業種とのコラボレーションや監督として映画製作を行うなど、その活動は多岐に渡っている。
デザイナーを担うファッションブランド「シンイチロウアラカワ」は同名の株式会社の基幹ブランドで、1993年の設立後、フランス・パリのマレ地区に唯一の店舗を開業(1996年)。
1997年にはフランス文化省直属全国ファッション美術振興協会のコンクールにて金賞を受賞。高級紳士服、高級婦人服、ならびに服飾雑貨などを展開している。
経歴
1991年:渡英しクリストファー・ネメスのアシスタントとなる。
1992年:パリ・ステュディオ・ベルソー卒業。
1992年:インディーズデザイナーとともにパリにおいてコレクションを発表。
1993年:パリコレクションに初参加。
1994年:SPRING/SUMMER PARIS collectionを発表。
1995年:東京下北沢において初の'95-'96 秋冬東京コレクションを発表。
1996年:パリのマレ地区に唯一の店舗をオープン。
1997年:HONDAとのコラボレーションによるコレクション‘SPEED&CRAFT’を発表。
1999年:パリ3区のESPACE COMINES にて2000 A/W PARIS collectionを発表、同コレクションをラフォーレミュージアム原宿にて発表。
受賞
フランス文化省・全国ファッション美術振興協会(ANDAM)のコンクールにて金賞(1997年)。1999年に日本ファッション・エディターズ・クラブ(FEC)の「デザイナーズ・オブ・ザ・イヤー」を、2000年に毎日ファッション大賞の「新人賞資生堂奨励賞」を受賞している。